Kobo Touchのバグ退治

すっかりネタにし損ねてましたが、MNP乞食の折、貯まったヨドバシゴールドポイントで楽天Kobo Touchなんぞを買っていたりします。そのすぐ後に同価格でKobo Gloが出てKobo Touchも1000円値下げされてちょっとショックでしたが、その期間で1000円分以上楽しんだので、まあ許容範囲かなと。
何が面白いって、そもそもARM Linuxベースで動いている上に、システムのアップデートの仕組みにロックがかかってなくて、ちょっと細工したアーカイブファイルを内蔵ストレージに入れるだけでシステムが書き換え放題。ついでに言えば内蔵ストレージもmicroSDが挿してあるだけ(このへんDELL Streakみたいですな)で、容量の増設はもちろん、Linux PC上でマウントしなおせば直接中身を書き換えることもできてしまう。まさにデジタルなオモチャ。巷ではe-Inkディスプレイ搭載ARM Linuxマシンとして使っちゃうネタで溢れています。*1
私はこれを真面目に電子書籍リーダーとして使っていて、(あまり数はないですが)自炊した漫画や小説を放り込んで持ち歩いています。
まあ、普通に楽天の書籍を買って使ってる分には困らないのですが、このKobo Touch、わりとファイルアクセス周りでバグが多い。目立つものでは、外部microSDのファイル名の日本語がKoboのメニューなどで見た場合に"?"に化けてしまったりとか(ANKなら問題なし)、地味ながら痛いものとして、内蔵ストレージではファイル名に使えない文字(通称「ダメ文字」)があって、該当するファイルやフォルダが中途半端に自動削除されて、場合によってはストレージが壊れちゃったりとか。
もちろん、そもそもKobo Touchは改造が容易なので、有志による改造・修正のアップデートファイルが存在していて、それを当てれば簡単に修正できるのですが、このアップデートファイルが曲者。「ファイル単位での上書き」しか出来ないので、ファームウェアのバージョンに強く依存していて、下手に違うバージョン向けのものを当ててしまうと、壊れるまでは行かないものの、整合性が取れなくて不安定になったりしてしまう厄介なもの。
最初、最新のKobo Touch 2.2.0向けのパッチ類はまだ存在していなかったので、「じゃあ自分でテキトーに作るか」と、ここのところ某巨大掲示板Koboのハッキングスレで色々やってたんですが、色々やっているうちに「ファームウェアのバージョンにほとんど依存しないバグ修正パッチ」を作成することに成功したので、公開しておこうかなと。
KoboTouch向け(たぶんKoboGloもOK)なバージョン非依存バグ修正パッチ
今回はしっかりとドキュメント書いたので、詳しいことはそちらを参照してください。
ちなみに、バグ修正パッチとは名乗っているものの、実質はカスタムファームウェアの一種です。他のカスタムファームウェアに上書きしたり、逆にコレを入れた後に他のカスタムファームウェアを上書きしたりすると、期待した動作をしなくなりますので、念のため。それと、JPG高速化ライブラリはライブラリファイルが追記されるだけでファームウェアそのものには影響を与えないので、このパッチと併用が可能です。どちらを先に書いても構いません。

*1:ちなみにDebian向けのARM EABIバイナリ(armel)がそのまま動くので、わりと何でも入れられます。