PC-8001を手に入れた話
2014年、もう6年も前の話なんですが、レジェンドなゲームクリエイターの内藤時浩さん*1の何気ない一言*2が発端となって、他のレジェンドなクリエイターさんが集まってPC-8001用の新作ゲーム「Newシティヒーロー」の開発がスタートしました。詳しい話はネットのあちこちにあるので省略しますが、記憶が確かなら私も当初から追っかけていて、4年後の2018年には完成し、実機を所有しているユーザー向けに配布がされていました。内藤さんの新作ともなれば、私も近いうちにPC-8001を手に入れてプレイしてみようと思ってPC-8001本体*3を探したりしていたんですが……。
ところが、最近*4になって「Newシティヒーロー」の配布が終了。もう手に入らないのかと残念に思っていたところ、PasocomMini PC-8001用にBEEPさんから市販化されることになり*5、おまけに条件を満たせば実機用のデータも貰えるとの発表がありました。これは最後のチャンスかもしれない! ということでちょっと高めの個体をヤフオクで落札したのがつい先日。 当然ながら専用のモニタは無いので、何かしら用意しないと動作確認もままなりません。15KHzを受け付けるLCD-8000Vモニタもあり、メインモニタもつい先日ジャンクで出てた格安の15KHzを受け付けるIPS液晶のWUXGAモニタに更新したばかりなので、PC-8001のデジタル8ピンからVGAのDSUB15ピン3段に変換するケーブルさえあればとりあえず映せます。Twitterのフォロワーさんの力を借りてそれっぽいケーブルを作って、PC-8001の到着を待っていました。 で。到着してすぐに自作のケーブルでモニタに繋いでみたところ、何故か白のはずの文字が水色(シアン)に。カラーバーを表示させると赤だけ出ていない。本体の故障かそれとも自作ケーブルが悪いのか。一応この時点でテスターでケーブルの導通はチェックしましたが、コネクタのピンにテスタをあてるのが難しいこともあっていまいち自信がありません。 本体の故障を疑って基板をチェックするも、サビや断線も見当たらずキレイな基板。気になるところをはんだ付けしなおしたり、気になるロジックICを引っこ抜いてテストしてみたりもしたのですが、異常は見つからず症状も改善せず。 そうこうするうちに、内藤さん直々のリプライでツッコミが(苦笑)。
パッと見、ケーブルな気がします。
— 内藤時浩 (@tokihiro_naito) 2020年2月11日
ですよねー(汗)。本体疑う前にケーブル疑えよということで、まずは金で解決してしまえとばかりに秋葉原の家電のケンちゃんまで行くも、すでにPC-8001用ケーブルは売り切れ。仕方がないので、気合い入れてむっちゃ丁寧にケーブルを作り直しましたよ4時間位掛けて(苦笑)。材料に使ったのがスリムVGAケーブルだったので、中の線が特殊なシールド付きで加工に手こずりました。 作り直したケーブルで試したところ無事に全色表示されました。結果的に問題ない部分をハンダごてで弄ってしまっていたのは不覚ですが。 このDIN8ピンからVGA3段15ピンへに変換するPC-8001用アナログRGBケーブルですが、何故か自作の情報が少なくチェックの際も難儀したので、ここで配線をメモとして残しておきます。
PC-8001(DIN8)側 | 接続 | VGA(DSUB15の3段)側 | 信号内容 |
---|---|---|---|
6ピン | 150Ω抵抗経由 | 1ピン | R |
7ピン | 150Ω抵抗経由 | 2ピン | G |
8ピン | 150Ω抵抗経由 | 3ピン | B |
2ピン | 直結 | 6ピン/7ピン/8ピン/10ピン | GND |
4ピン | 直結 | 13ピン | H-Sync |
5ピン | 直結 | 14ピン | V-Sync |
シールド | 直結 | シールド | - |
無事画面も出て、この個体は実はきちんと動く良品だったと判明。本体のあちこちが汚れていましたが、ウェットティッシュで拭いたら簡単に汚れが落ちてキレイになって拍子抜け。これで後はPCG-8100互換のハードウェア(改造基板?)を組み込めば「Newシティヒーロー」の動作条件を満たせます。 現状手に入るPCG-8100互換のPSA基板と必要な部品は手配済みなので、次はそれを載せて動作確認でしょうかね。BEEPさんで「Newシティヒーロー」の予約もしないといけないし、実家からこの間引き上げてきたデータレコーダのレストアもしないと実機動作はできません。まだまだ先は長そうです。
最後に蛇足。送られてきた箱の中になにやら紙切れが。詰め物の一部かと思ってよく見てみると、なんと未登録の保証書と保証登録カードでした(汗)。危うく捨てるところだったよ。