続・nasneの外付けハードディスクの最大容量について考える

前回、「1セクタも普通は512バイトなので」ということにして、4Kネイティブ(4Kn)セクタのハードディスクを敢えてスルーした訳なんですが。お察しの通り4Knセクタであれば、MBRであっても512nセクタ*1や512eセクタ*2の8倍の容量、つまり16TiBまでは1パーティションとして扱う事ができます。じゃあnasneではどうなのかということで、コレについても書いてみようかなと。
これまた結論から言えば「nasneは4Knセクタのハードディスクに対応している」はずです。一応、私の調べた範囲ではコンシューマー向け製品で唯一、エレコムLaCie minimus(LCH-MND030U3)が4Knセクタを謳った2TiB超えの製品で、これについては少ないながらも3件ほどnasneに接続した事例(ここそのコメントここで3件です)がありました。まあ、2TiB超えのパーティションにフォーマットした訳でもなく、容量をたくさん使ったかどうかも不明なので「4Knセクタ対応かどうか」の判断材料にしかなりませんが……。
ちなみに、3件すべてに共通して「録画も再生も出来るが再生がカクカクして使い物にならない」という評価がされています。おそらくnasneLinuxカーネル*3での対応が中途半端で*4、動作はするもののパフォーマンスが出ないという結果になっているのではないかと。パーティションのオフセットやら何やら調整してフォーマットすれば改善する可能性はありますし、先の3件の情報は書き込み時期からして、2件がシステムソフトウェア2.11以前で残り1件が2.51以前なので*5、もしかしたら2.60以降で直っている可能性もあります。まあ4Knセクタの2TB超えドライブが高価*6なので、ちょっと買って試すという訳にもいかないのが……。
おそらく4Knセクタのドライブを各社のフォーマッタでFAT32フォーマットすれば、容量的には8TiB*7まで認識して録画も容量一杯まで出来るんじゃないかなと思いますが、再生がカクカクするのを解決できなければ、容量だけ増えてもあまり意味はありませんね……。試すなら止めませんが、例によって自己責任、AT YOUR OWN RISKで。
あと蛇足。WEB見てると「セクタサイズ」と「クラスタサイズ」をごっちゃにしてるページが結構ありました。記録密度が低かった昔ならいざしらず、今どきのハードディスクは物理フォーマットによるセクタサイズの変更は出来ません。変更できるとしたらクラスタサイズの方です。
それはそれとして。どこかのメーカーさん、4Knセクタのハードディスク貸していただければ検証しますよ、と最後に書いておこう。まあ当然誰も見てないだろうけど(笑)。

*1:512バイトネイティブセクタ=従来型ハードディスク。

*2:512バイトエミュレーションセクタ=AFT。

*3:Open Source Software used in nasneのLinux Kernelのページによれば2.6.29

*4:内部でソフトウェアによりAFT的な変換が行われているんじゃないかなと想像。論理512バイトセクタ×4の読み込みに物理4Kバイトセクタ読み込み512バイト抽出を4回繰り返していたりしたら笑いますが……って書いてて本当にありそうな気がしてきた。

*5:どうにもnasneのユーザーは更新を嫌う傾向にあるようなので、もっと前のバージョンの可能性も。

*6:最近は「エンタープライズ向け」とか「高耐久性」とか銘打たれたド高めのブランドにしか4Knセクタを謳った製品が見当たらないのです。

*7:FAT32の上限が8TiBなので。