XPモードのカスタマイズ(2)

XPモードのカスタマイズ第二弾です。
前回ちょっと書きましたが、XPモードの統合機能はリモートデスクトップ接続が利用されています。そのため、ホストOS側のドライブがネットワークドライブに見えているのですが、これが微妙に分かりにくいんですよね。
これをもう少し分かりやすくするべく、XPモードのデスクトップとマイドキュメントのフォルダが、ホストOS側のものと同じになるように設定してみたので、その手順をば。

  1. XPモードの起動
     まずはXPモードを起動します。前回同様、設定変更などはXPモード内のWindowsXPに対して行いますので、注意して行ってください。
  2. ネットワークドライブの割り当て
     コマンドプロンプト、または[スタート]→[ファイル名を指定して実行(R)...]から、"net use Z: \\tsclient\C\Users\<ユーザー名> /persistent:yes"(<ユーザー名>はXPモードを使っているホストOS側のユーザー名*1です)と入力して、ホストOSのユーザーホームフォルダをネットワークドライブに割り当てます。ここではドライブZ:に割り当てていますが、もちろん他のドライブでも構いません。その場合は設定するドライブ名を読み替えてください。
  3. 警告メッセージ抑制のための設定
     [スタート]→[コントロールパネル(C)]→[インターネットオプション]→[セキュリティ]タブ→[ローカルイントラネット]→[サイト(S)]→[詳細設定]と進んで[ローカルイントラネット]のダイアログを開き、[このWebサイトをゾーンに追加する(D)]に"\\tsclient"と入力して[追加(A)]→[閉じる(C)]→[OK]→[OK]で、ローカルイントラネットにホストOSを追加します。
  4. マイドキュメントフォルダの設定変更
     デスクトップの[マイ ドキュメント]を右クリック→[プロパティ(R)]、または[スタート]→[マイ ドキュメント]を右クリック→[プロパティ(R)]と進んで[マイ ドキュメントのプロパティ]ダイアログを開き、[リンク先(T)]に"Z:\Documents"と入力して[OK]で、マイドキュメントフォルダの設定を変更します。
  5. その他のフォルダの設定変更
     レジストリを書き換えて、マイドキュメント以外の、デスクトップ、ミュージック、ピクチャ、ビデオの各フォルダを変更します。ただし、言葉で説明すると分かりにくいので、例によって.regファイルをエントリの最後に貼っておきます。ドライブ名をZ:以外に変更した場合は、レジストリの結合後、レジストリエディタでドライブ名の部分だけ書き換えるのが確実でしょう。
  6. ネットワークフォルダ表示の更新の設定変更
     ネットワークフォルダに変更を加えても、すぐには表示が更新されないので、レジストリを書き換えて更新されるようにします。これも、言葉で説明するより早いので、エントリの最後に.regファイルを貼っておきます。

とまあこんな感じで、全て終わったらXPモードを再起動しておいてください。これで、XPモードでデスクトップやマイドキュメントにファイルを作成したり保存したりすると、そのままホストOS側のデスクトップやマイドキュメントに見えるようになります。もちろんその逆もOKです。
実は、設定を自動で行ってくれるバッチファイルも作ってあったりしますので、一番最後に貼っておきます。やっていることは上で説明したことそのままですが、ユーザー名だけは自動的に取得できないため、使う場合は実行する前に書き換えておいてください。

Windows Registry Editor Version 5.00
;その他のフォルダの設定変更
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Shell Folders]
"Desktop"="Z:\\Desktop"
"My Music"="Z:\\Music"
"My Pictures"="Z:\\Pictures"
"My Video"="Z:\\Videos"
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\User Shell Folders]
"Desktop"=hex(2):5a,00,3a,00,5c,00,44,00,65,00,73,00,6b,00,74,00,6f,00,70,00,00,00
"My Music"=hex(2):5a,00,3a,00,5c,00,4d,00,75,00,73,00,69,00,63,00,00,00
"My Pictures"=hex(2):5a,00,3a,00,5c,00,50,00,69,00,63,00,74,00,75,00,72,00,65,00,73,00,00,00
Windows Registry Editor Version 5.00
;ネットワークフォルダ表示の更新の設定変更
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\Explorer]
"NoSimpleNetIDList"=dword:00000001
rem XPモードのカスタマイズ(2)・設定バッチファイル
rem <ユーザー名>の部分はホストOSのユーザー名に書き換えてからXPモード側で実行のこと
net use Z: "\\tsclient\C\Users\<ユーザー名>" /persistent:yes
echo Windows Registry Editor Version 5.00>%temp%\temp.reg
echo [HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\ZoneMap\Domains\tsclient]>>%temp%\temp.reg
echo "file"=dword:00000001>>%temp%\temp.reg
echo [HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\User Shell Folders]>>%temp%\temp.reg
echo "Desktop"=hex(2):5a,00,3a,00,5c,00,44,00,65,00,73,00,6b,00,74,00,6f,00,70,00,00,00>>%temp%\temp.reg
echo "Personal"=hex(2):5a,00,3a,00,5c,00,44,00,6f,00,63,00,75,00,6d,00,65,00,6e,00,74,00,73,00,00,00>>%temp%\temp.reg
echo "My Music"=hex(2):5a,00,3a,00,5c,00,4d,00,75,00,73,00,69,00,63,00,00,00>>%temp%\temp.reg
echo "My Pictures"=hex(2):5a,00,3a,00,5c,00,50,00,69,00,63,00,74,00,75,00,72,00,65,00,73,00,00,00>>%temp%\temp.reg
echo [HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Shell Folders]>>%temp%\temp.reg
echo "Desktop"="Z:\\Desktop">>%temp%\temp.reg
echo "Personal"="Z:\\Documents">>%temp%\temp.reg
echo "My Music"="Z:\\Music">>%temp%\temp.reg
echo "My Pictures"="Z:\\Pictures">>%temp%\temp.reg
echo "My Video"="Z:\\Videos">>%temp%\temp.reg
echo [HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\Explorer]>>%temp%\temp.reg
echo "NoSimpleNetIDList"=dword:00000001>>%temp%\temp.reg
reg import %temp%\temp.reg
del %temp%\temp.reg

*1:ネットワークドライブの割り当てコマンドを入力するのはXPモード側ですが、必要なユーザー名はホストOS側のものなので注意が必要です。ユーザー名がわからない場合は、ホストOS側でコマンドプロンプトから"echo %USERNAME%"と入力すれば見ることが出来ます。